AIに管理される未来人間――快適だけどモヤモヤする日常

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AIやロボットによって人間は働く必要がなくなり、ベーシックインカムで遊んで暮らせることを期待する人は多い。しかし、AIが進化しても、完全に自由で幸せな生活にはならなかった世界を考えてみた。未来の人は、いったい何に消耗して生きているのだろうか。


技術的解放は心理的消耗を消さない

過去を振り返ると、技術革新は人間の肉体的負担を減らしてきた。農業の自動化で体力的な労働から解放され、産業革命やIT革命で生活は便利になった。しかし、労働は別の形で生まれ、心理的・社会的な消耗はむしろ増える傾向があった。

AI管理社会でも同じだ。肉体は快適になり、生活は最適化される。しかし、人間は社会的承認や自己表現、競争心を捨てることはできない。その結果、体は楽でも、心は知らず知らずのうちに消耗していく。


未来のノスタルジー――昭和を懐かしむことはない

昭和の人はよく「昔はよかった。貧乏だし、体力的に忙しかったり、不便なこともあったけど、人間味があったな」と懐かしむ。しかし未来の100年後の人々は、昭和を直接懐かしむことはない。では、何を懐かしむのだろうか。

  • 今よりも少し頭が悪かったAIや、今よりも少し手間のかかるポンコツロボットを懐かしむのだろうか。
  • 自分の子ども時代、少しの失敗や少し不便を経験した感覚、感情が揺れる友達との小競り合い……そんな「少し不完全な体験」にノスタルジーを感じるのかもしれない。
  • 現代人は、子どものころの不自由や失敗を振り返って懐かしむが、未来人も同じく「”少し”完璧じゃなかったこと」を懐かしむ可能性がある。この”少し”が未来人にとっては大きいのかもしれない。

その一方で、今の幸せな世界との違いに不安も抱く。AIによってすべてが管理され、生活は快適、体も健康。しかし心は微妙に消耗している――自分たちが享受する便利さの裏に、人間らしい感情や自由意思が失われているのではないか、という違和感だ。

未来人間のノスタルジーは、「不完全だった過去」への懐かしさと、「完璧に管理されている今」への微妙な反発、両方が混ざったものになるだろう。


未来人間の一日

朝:モモ(AI)に管理される快適な目覚めと違和感

  • 10:00 起床
    モモ)によって睡眠や目覚めは最適化され、生活はベーシックインカムで保障されている。しかし、VR空間からの通知に無意識に目を向け、誰が注目されているかを確認してしまう。
  • 10:30 朝食
    モモ)が健康最適化した食事を用意するが、「人生の楽しみ」と称してジャンクフードや酒、微量のドラッグを摂取する。モモが後で健康を補正するため、体は快適だが心は奇妙な満足感と違和感で揺れる。

午前~午後:VR空間での消耗

  • アバターで友人と高校生ノリで遊ぶ。しかし、注目や名誉を得るために無意識に張り合い、小さな消耗が積み重なる。友情が壊れそうになってもモモが仲裁して平和は保たれる。しかし、「自分たち、人間味がないな…」という微かな違和感が残る。

午後:自由時間の虚ろな楽しみ

  • 趣味や創作に手を出すが、モモが提案する「最適化された楽しみ」に従う。肉体は快適で健康だが、行動や選択の自由が管理されていることに違和感を覚える。
  • 「自分の意思で楽しんでいるのか? モモに操られているだけなのか?」というモヤモヤが心に残る。

夜:快適さと虚ろな幸福

  • ジャンクフードや酒を少量摂取しても、モモが健康を補正する。VR空間では注目や承認が価値の基準であり、張り合いと仲裁の繰り返しで心は微妙に疲弊する。
  • 「幸せではあるが、人間らしさはどこにあるのか」という疑問を抱えながら眠る。

消耗の正体――快適でも疲れる理由

  1. 心理的・社会的消耗は残る
    労働や生活の負担はAIに任せられるが、承認欲求や競争心は人間の本能として残る。VRでの張り合いや友情トラブルは、新しい形のストレスとなる。
  2. 「管理された自由」と人間らしさの葛藤
    肉体的には完璧でも、AIに生活を最適化されていることで、自分の意思や感情に疑問を持つ。心の自由が失われることで、もやもやや虚ろさが生じる。
  3. 快適さが心理的空虚を生む
    何でも手に入り、困ることがない生活は、逆に「生きている実感」の希薄さを生む。幸福感はあるが、人間らしい充実感や感情の揺れは減り、虚ろな幸福感が残る。

まとめ

AI管理社会では、肉体的な消耗はほぼゼロになるだろう。しかし、心の消耗や微妙なストレス、承認欲求や競争心は残る。未来人間は便利で快適な生活を享受しながらも、心理的モヤモヤや「自分は本当に人間なのか」という違和感に悩まされる。

未来人間のノスタルジーは、「少し不完全だった過去」への懐かしさと、「完璧に管理されている今」への微妙な反発、両方が混ざった複雑な感情になるだろう。技術による快適さと心の満足は必ずしも一致せず、人間らしさをどう守るかが、これからの社会における最大の課題になるかもしれない。


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